近頃、「中日関係はどうしてこんなに悪化したのか」と中国国内で聞かれることが多くなった。その都度、まず日本の世論の変化、政情の変化を話すが、その一因として、中国が日本人にとって魅力的な国ではないことを必ず付け加えるようにしてきた。というのは、中国は高度成長を遂げており、米欧及び発展途上国からは評価されているが、先輩格の日本にとって中国はさほど魅力がないからだ。そればかりか、不均衡の拡大と社会的矛盾の激化によって現政権はそのうち崩壊するのではという偏見に満ちた見解さえまかり通っている。
ところで、最近中国から帰ってきたあるビジネスマンから、中国の役人が贈り物を受けとらなくなったという話を聞いた。これはここ20年間、はじめて耳にする話である。「不治の病」と言われた中国の不正腐敗に好転の兆しが見えてきたとすれば、その原因はどこにあるのだろうか。
まず考えられることは、昨年1月、腐敗退治・防止システム確立の「実施要綱」が実行され、ここ一年、かなりの成果を上げてきたことだ。また昨年4月に「公務員法」が全人代で通過し、今年1月1日から施行されるようになったことも重要だ。ここ八ヶ月間、全国公務員の間で「公務員法」学習が行われたが、その効果が出はじめたのである。昨年10月、ある浙江省の中堅幹部に出会ったとき、“以前は不明瞭な部分がかなりあって間違いを犯しやすかったが、今はやるべきこと、やってはいけないこと、どういう賞罰を受けるかなどが明白になり、公務員として仕事がやりやすくなった”と言っていたのを思い出す。
また数日前、江蘇省書記李源潮が都市建設や農村建設における無計画振りを厳しく批判し、その改善を図る方策について述べた論文に接した。彼は胡錦濤国家主席の信任が厚いと言われる人物だ。都市建設は高層ビルばかりが目立ち、景観が悪いし、実用的でもない。農村では無秩序に家屋が建てられ、新しい家屋はあっても新農村の気配はない。このような建設を後世に残すのは、祖先に済まないし、世界に顔を向けることもできないと断罪する。この批判はたいへん的を射ており、読んでいて共感を覚えた。
李書記は、都市計画が都市の発展に追い着けず、無秩序の建設が行われているとし、このような状況を早急に改善するため、江蘇省全地域が三年以内に、すべての市・県・鎮郷(町村)で都市・農村建設計画を立てるよう要求している。しかもそれは、少なくとも今後20年を視野に入れた計画であるべきだとする。そのためには、まず幹部の教育が先決であるとし、現在すでに各市の書記、市長を六回に分けて大学や国外に派遣して研修させたとのことである。今後は研修者対象をさらに広げ、県や鎮郷のリーダーにも研修させると言う。これこそは科学的発展観に沿うものであり、その判断の正しさ、対策の的確さを高く評価したい。ここに、中国新指導層による明るい未来が見えるような気がする。
胡錦濤体制はまだ過渡期にあり、相次ぐ炭鉱爆発事故、松花江汚染問題、「新京報」記者ストライキ、農民騒動など多くの問題を抱えている。しかし、上述のような変化にも目を注ぐべきだ。今年はビジネス賄賂取締りが集中的になされる。解放後初期の「三反五反」運動(旧社会の不正腐敗を一掃した)に匹敵するものになるかも知れない。また李源潮のような若き指導者によって、斬新な建設がなされようとしている。
日本にとって魅力ある中国の出現、その時、日中友好関係は磐石なものとなる。

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