閉会の辞(コンテスト評価を兼ねて)

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審査委員会副主任  凌星光       
 西北地区日本語コンテストは成功裏に終了いたしました。閉会の辞を述べるに当たって、審査に当たって感じたことを一言述べさせていただきます。
 先ず日本語の表現についてですが、改革開放初期の頃と比べると、発音やアクセントがすばらしく進歩しました。なかには、日本人と殆ど変わらない発音、アクセントを発する選手も何人かいました。これは多分、殆どの大学で日本人教師がいるからだと思います。問題は熟練度です。午後の即席スピーチでは本人の実力が試されます。正しい発音、アクセントでしゃべる人は大幅に減ってきました。常日頃から、反復練習に努めることが重要です。

それから日本語の難しさは、助詞、助動詞の正しい使い方にあります。これも午後の即席スピーチで、格差が大きく出てきました。文法的に道理をわきまえることも必要ですが、理屈抜きで、日本人と正しい会話を交わす練習を重ねることがより重要かと思います。
 次に内容については、次の三点を指摘したいと思います。
 第一点は、限られた体験に基づく日本人の認識が多く語られました。自分の先生である日本人を通して知った、日本人の真面目さ、暖かい人間性、集団意識、読書好き、ボランティア精神などを称えていました。これは実に喜ばしいことです。日本の国民的素質は世界でもトップレベルにあり、大いに学ぶべきです。しかし、日本人もさまざまで、皆さんが接触している日本人(先生や留学生)の多くは、中国、中国人に愛着のある選ばれた日本人であるということを知っておく必要があります。よい日本人とよくない日本人、日本の国民性のよい面と悪い面の両方を知って、はじめて正しい日本観が形成され、揺るぎないものとなります。
 第二点は、日本と中国との文化的相違点を述べ、相互理解を深める必要性を語った内容が少なからずありました。これはたいへん重要な着眼点だと思います。日本人と中国人は同文同種と言われますが、歴史文化の面では大きな違いがあります。それを認識することが、相手への理解と尊敬につながり、真の友人関係がつくられていきます。
 第三点は、政治的に悪い日中関係と日本語を学ぶという現実との矛盾が多く語られました。これはわれわれが先輩として最も心苦しく感ずるところです。周囲の友人、親戚から冷たい目で見られる皆さんに、本当に心から同情の念を抱きます。皆さんは、このような悪い雰囲気の下で日本語を学びながらも、日本語を選択して本当によかった、点数が足らなくて第一志望の英語から日本語に回されたがそれでよかった、という貴重な体験談を聞かせてくれました。たいへん心強く感じました。日中友好関係というものは、一時的政治関係で左右されるものではありません。皆さんの長い人生の中で、現在の日本語学習が報われる時が、必ずやって来ます。
 第三に、即席スピーチで感じたことですが、時間をオーバーしないように、上手にまとめる訓練をする必要があります。残り時間切迫の合図を聞いたら、言いたいことの核心部分だけを話すことのできる練習です。それには、普段から論理性のある話し方をするよう努力する必要があります。これは日本語スピーチだけでなく、何語であれ常に求められるものです。即ち、即席スピーチでは、日本語の上達ばかりでなく、話し方の論理性も求められるのです。それから午前のスピーチで、忘れてしまって沈黙が長く続いた場合が二例ほどありました。もし丸暗記ではなく、自分の言いたいことを日本語で表現する練習をしていたら、このような事態は避けられたでしょう。またそれは、午後の即席スピーチの向上にも繋がります。
 最後に日中関係が好転する兆しがあることをお知らせしたい。今年に入って、日本有識者の理性的声が高まっています。小泉首相の感性政治、人気取り政治は批判されつつあります。ポスト小泉は東アジア外交重視、日中関係重視の方向に転換する可能性が大きく、来年は好転を見るでしょう。皆さんの学んでいる日本語が大いに活用できる日が間もなくやってきます。未来に自信を持って、日本語習得に努力してください。
 では、これで以って、今回の日本語コンテストの終了を宣言します。皆さん、有難うございました。
2006年5月20日
(2006年6月12日整理)

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このページは、凌星光が2006年5月20日 00:49に書いたブログ記事です。

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