11月7日に行われた米中間選挙で、民主党が上下両院で勝利を収めた。共和党敗北の主たる原因はイラク戦争の泥沼化にあり、ラムズフェルド国防長官は9日更迭された。これで単独行動主義は完全に失敗であったことが立証され、ブッシュ大統領は政策調整を迫られる。それは米国の対中東政策及び対北朝鮮政策に影響を与えないわけにはいかない。そこで、米中関係、日中関係、北朝鮮問題にどのような影響を及ぼすかを見てみよう。
1 米中関係への影響。昨年秋から相対的安定期に入った中米関係は、より確かなものになっていく。国際的問題で中国が米国に助言し、難局打開に向けて協力する面が多くなってこよう。但し、米国の中国けん制要素は若干弱まってもなくなることはなく、時には一定の緊張場面も出てこよう。人民元切り上げや知的財産権など経済問題では矛盾が絶えず発生し、かなり厳しい交渉が行われる可能性がある。しかし政治的に戦略的な建設的協力関係が維持される以上、かつての日米関係のように、良好な政治外交関係が緊張した経済関係の歯止めになる可能性が高い。日本には日高義樹氏のように、ことさら米中関係の矛盾を際立たせる論者がいるが、それは日本の有識者と国民から見放されていこう。
2 日中関係への影響。小泉政権はブッシュと密接な関係を維持し、イラクへの自衛隊派遣など、米国追随による日本の国家利益保持が追求された。民主党の勝利によって、日本外交は新しい人脈を築く必要があるなど、一種の焦りみたいな論調が見られるが、むしろ外交政策調整をやりやすい環境が作られたと前向きに捉えるべきだ。安倍首相の10月訪中訪韓はアジア外交重視の画期的行動であった。それが如何に重要であったかが今更ながらに想い起こされる。ここ一ヶ月余り、感情的な対中強硬論、対日強硬論はすっかり下火となり、日中関係は好循環に入った。米民主党の勝利によって、日中双方の理性的雰囲気は一層確かなものとなっていこう。
3 北朝鮮問題への影響。北朝鮮の核実験に、中国は強い反応を示した。朝鮮半島の戦略的図式は「日米対中韓+ロ+朝」が「日米+中韓ロ対朝」に変わった。中国と韓国は出口を示しつつ圧力を手加減する政策、日米は圧力に重点をおいた政策という温度差はあるが、五カ国対一カ国(朝鮮)の新図式が形成されたのだ。これは北東アジアにとって戦略的な重要な意義がある。というのは、米国が米朝対話に柔軟な姿勢を見せることによって、北朝鮮の核開発放棄を迫る可能性が出てきたからである。それは単に朝鮮半島の非核化を促すばかりでなく、北東アジアに新しい安全保障体制を構築していく土台を築く。民主党の勝利は、北東アジアのこのような流れを促進しよう。
2006年11月13日

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