11月18日、遅すぎる福井の紅葉を眺望しようと九頭竜湖に向けて車を走らせてもらった。国道158号線を進んで仏原ダムを通過すると、「仏御前の滝」の看板が目に入る。「整備された遊歩道を約10分も歩けば滝が見える」と書かれているので、ちょっとした運動にもなると思い歩くことにした。が、実際には、高さ100メートルもある階段を登らなければならなかった。途中、二回ほど留まって息遣いを整え、20分くらいかけて滝の前の観光スポットに辿り着いた。
周りの樹木には葉が完全に散り去ったのもあったが、多くはまだ紅葉を残してくれていた。北京、東京と大都市を駆け巡ったあとだけに、秋の山景色は身をくつろがせてくれる。いつも思うことだが、動の世界と静の世界を交互に浸ることによって心のバランスが図られる。一日の活動によって、心身の健康回復を身に感じられる。
滝の名前の由来は、[平家物語]に出てくる平清盛の愛妾、仏原村出身の仏御前の名前にあるとのことだ。そこでインターネットで調べてみると、いろいろなことが書かれている。歴史や文化の予備知識を持って観光地巡りをするのが普通だが、漫然と巡り歩いて新知識を得るのもまた楽しいものだ。それも、各地域が郷土史をよく研究整理してくれているからである。
現在、中国においても、経済的に裕福になる中で、「精神文明建設」の一環として地方郷土史の整理が行われるようになった。とりわけ、1990年代後半から観光事業の発展が本格化するにつれ、地方文化の発掘が盛んに行われている。中国5000年の歴史文化が、日本のように大衆化される日もそう遠くはないであろう。時間的余裕のある定年退職者にとって、晩年に各地域の文化を十分に味わえるのは実に幸せなことだ。「平和と発展」に感謝したい。
2006年11月19日

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