東アジアの平和と共同体の展望(要旨)

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(平和フォーラムでの講演―2月11日)東アジアは20数年にわたって平和が続き、目覚ましい経済的発展を遂げた。しかし平和を脅かす危険的要素がないわけではない。一つは米国のイラク侵攻に代表される単独行動主義の実行が何時起こるか分からないことだ。自国の国益を優先させる米国に世界平和と公正な世界秩序を期待するのは明らかに無理である。二つ目は日本の米国追随と米日軍事力の一体化である。日米軍事同盟は中国を仮想敵国化しており、軍事同盟の強化と両軍一体化は中国にとって大きな脅威と写る。三つ目は中国の軍事力増強である。昨年12月に発表された国防白書では、軍事力強化の三段階戦略を提起し、今世紀中ごろまでには情報化戦争で勝利する力を付けるとしている。四つ目は、以上を背景として、北朝鮮の核問題と台湾の独立志向問題が、不安定要因として東アジア諸国に重くのしかかっている。


 しかし、当今の世界は、相互牽制と相互協力が並存し、後者が次第に優位性を占めていく過渡期にある。東アジア平和の持続性は極めて可能性の高いものとなっている。先ず米国の単独行動主義は実質的に破綻しており、超大国米国の世界戦略は調整期にある。次に、世界的範囲で巻き起こる反米運動を前にして、発展途上国に影響力を持つ中国の協力を米国が必要としており、米中戦略対話が進展を見せている。第三に、六カ国協議が北朝鮮核問題で成果を収めることができれば、それを更に北東アジア安全保障体制に発展させていくことができる。現に、中国や日本だけでなく、米国の中にもこのような主張をする専門家がいる。第四に米中日三カ国の戦略対話を実現し、東アジアの平和をより確かなものにする可能性が出てきた。すでに日米、中日、日中の二国間戦略対話は行われており、それらを三カ国戦略対話に発展させることは、決してそんなに難しいことではない。
 2004年12月、ASEAN10プラス3(日中韓)非公式首脳会議は、東アジア共同体の構築が長期的目標であることを宣言した。これは東アジアの平和と繁栄を保障する上で極めて重要なことである。共同体はまず経済協力が強化され、それを踏まえて安全保障協力も漸進的発展を見るようになる。また安全保障については、テロ、海賊、麻薬など非伝統的安全分野での協力が図られ、それを踏まえて国家防衛という伝統的安全分野への協力が進められていく。ここで問題なのは、日本が米国への配慮と中国影響力への懸念から、共同体構築に極めて消極的であり、時には「ぶち壊し」とも思われる理不尽な行動を取っていることである。中国の問題点としては、日本および周辺諸国への配慮が不十分で、さまざまの警戒心を抱かせている。また日本が発揮しようとするリーダ^シップに対して非協力的であることも問題だ。
 日本の平和憲法は世界の最先端をいく素晴らしいものである。戦後日本はそれを盾として、米国から来るさまざまな圧力を退け、平和国家の道を歩んできた。その結果、日本のソフトパワーは大いに強化され、米国や中国よりも評価される国となった。中国は日本の戦後の経験に学び、平和発展論と和諧世界論を提起している。昨年10月、日中首脳会談のプレス共同声明の中で、中国は日本の平和的発展を評価し、日本は中国の平和発展論を評価した。日中両国の協力の土台が固まったのである。これを契機に、北朝鮮の核問題と核廃絶問題での日中協調体制を確立すべきである。中国は一貫して核廃絶を主張しており、日本の立場と一致する。核拡散防止体制が崩れつつある今日において、日本と中国が緊密に提携して核廃絶運動の音頭を採ることは、人類史的意義のあることだ。それが一定の効果を上げたとき、平和国家としての日本の常任理事国入りは現実的なものとなる。当然、中国は日本の常任理事国入りを積極的に支持するはずである。
2007年2月4日

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このページは、凌星光が2007年2月 4日 10:46に書いたブログ記事です。

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