王毅大使は三年間の任務を終えて、9月21日に日本を離れる。9月10日にはお別れのパーティーが開かれた。三年前、王毅大使が赴任された際、私は六つの提案を行った、王大使はたいへん重視され、参事官会議で読んでくださったとのことだ。今、ちょうど三年が過ぎたが、私の出した提案は基本的に実行してくださった。例えば、領事館の含む態度は大いに改善されたし、王大使は日本各地を回って講演し、自分の言葉で道理を説き、とてもよい効果を上げた。王大使及び大使館のスタッフたちの三年間の努力に感謝し、その成果を讃えたい。ここに私が2004年9月に提出した六つの提案を公にすると同時に、王毅大使が新任務を立派にやり遂げ、より大きな貢献をなされることを心から祈りたい。
2007年9月11日
王毅新大使への若干の建議
日中関係研究所所長 凌星光
王毅駐日大使:
こんにちは!私の意見は、王逸舟、馮昭奎等から聞いてご存じとは思いますが、あなたが来日して就任した時、直接建言したいと思います。参考となるところがあれば、幸いです。
1 焦りすぎず、着実にこなす
「経熱政冷」という言葉が、現在の中日関係を反映する熟語となっている。皆がこのような状態がいつまで続くのかを心配している。私の見方では、やはり1年から2年はかかるとみられ、決して功を焦ってはいけない。今は少しずつ進め、良好の雰囲気をつくる段階である。しかし自信を持たねばならず、2~3年以内に中日関係の打開は必ず実現する。その理由は、(1)我が方は、第10次駐外大使会議の中で正しい新思考と新方針を打ち出し、次第にその効果が現れている。(2)我が国の厳格な立場が日本の世論に変化をもたらし、小泉の靖国神社参拝に対する非難の声が次第に大きくなっている。(3)国際関係の発展により、日本の政界に中日関係を重視する者が増えている。当然、日本には一部の反中勢力があり、様々な妨害があり、政治的矛盾は容易に除去できないから、充分なイデオロギーにおける準備が必要である。
2 積極的に発言し、メディアを引きつける
中国の外交官員が話すことはどれも同じで、人民日報と一緒であり、会話してもおもしろくない、というのが日本の友人たちの評判である。またある日本の古参記者は、各国大使を招待し各国政策を論じて、併せて新聞で発表することは、中国にとっても外交を宣伝する絶好の機会であるはずなのに、中国大使は参加しない、と言う。私があなたに提案したいのは、各種会議や対話に積極的に参加し、日本メディアを味方につけ、彼等メディアを利用して、我が国の外交や中国の姿を宣伝してほしい。これには、自分の言葉で我が国の外交をうまく説明し、自分の経歴とうまく結びつけて人を説得し、自分の博学な知識をうまく発揮して人を引きつけることが要求される。そのほかに、主要な人物と個別に会談する時は、自分の観点を明らかにして、例えば、何種類もの考え方の中から、自分の考えはどれなのか、理由は何故なのかなど、一学者のような風格を持たねばならない。
3 全国をあまねく回り、世論を勝ち取る
2年計画で、毎月2日間を調整して、地方を訪問し、一度の訪問に隣接の2県を訪問し、2年間で日本全国を回ることを提案したい。訪問の前には、各県庁(政府)国際交流課、地方議員、経済団体、日中友好組織、華僑華人組織などに事前に段取りをしておく。各地には、日中友好のため貢献した人物や事跡が存在し、あなたの講演の中で、大使としての身分をもって大いに称賛し、日本の友人たちの意見を幅広く聴く。現在、日本経済界や学者の中で日中関係を重要視する声が高まっているが、しかし一般の国民には知らないか関心が無く、更に選出された国会議員ですら切実に感じていない。あなたの地方訪問を通じて、地方世論を勝ち取ることができれば、間接的に各地で選出される国会議員にも影響を及ぼす。さらに地方のメディアは、必ず大きく報道し、大きな反響が期待できる。
4 大使館員に奮起させ、開拓を激励する
歴史的な理由から、我が国の外交官員は慎重すぎ、魅力に欠ける。現在は時代が変化し、大使館員個人にやる気を出させ、新しい分野を開拓させてほしい。国際的条件や国内的条件は、外交活動にすべて有利に動いており、「守り」に偏りすぎているなら、今後は「攻め」に転じさせ、「外交工作の創造性と自主性、先進性を強化」せねばならない。さらに、手法は周首相を学ぶべきである。日々の政務に追われる多忙な中、彼は時間をつくり、日本の友人たちと会い、時間を作れないときは、秘書を派遣して誠意を示し、意見を聞き入れた。あなたの政務も多忙であろうが、秘書や他の大使館員に代理させ、後で報告させてもよい。ここで注意を要するのが、日本の友人たちが取り上げた問題や建議に対して、必ず回答が必要である。胡錦濤主席は民主党派の意見を取り上げたとき、問題を取り上げ検討し、必ず返答する。これは人の信用を得るための基本であり、外事工作においては更に守らねばならない。外事工作の連続性を検討する時は、必ずファイルに残さねばならない。
5 学者を重用し、建言を聴く
現在日本には多くの華僑華人の学者がおり、去年「日本華人教授会議」が設立された。彼等は各方面で社会的地位を得ており、中日友好と祖国(母国)の発展のため貢献したいと考えており、大使館と一定の連絡体制を構築し、活動の場を広げたいと考えている。しかし、大使館員の官僚的態度に反感がある者も多く、「無学無能」だとの批判もある。ここ数年で改善されてはいるが、多数の者は考えに変わりはない。私はあなたが率先して雰囲気を変え、学者や有識者の意見を謙虚に聞き入れ、在日の学者に親切であると感じさせ、積極的に意見させるよう提言する。ここで重要なのは、表面上の会議を余り開催せず、科学的に情勢を分析するような会議を多く開催してほしい。そのほかに、華人学者を利用すれば、日本の学者や政治家など有力者と幅広く接触することができる。在日中国語新聞の質や量を高めたり、日本の主要メディアとの関係を強化したりすることも重要な課題である。
6 華人に配慮し、架け橋とさせる
「人民のための執政」は、今や確実に領事館の業務となった。最近、我が国の大使館も取り組み、人民を喜ばせている。在日中国人は、我が国の領事館員のサービス態度に不満を持ち続けている。ある若者が台湾駐日事務所と比較して、そこに電話で問い合わせれば、とても熱心に、根気強く、必要書類などを教えてくれるが、自分の大使館では態度が悪く、要領も悪く、がっかりさせられる、と言っている。中国の国民が自分たちの大使館に失望していて、どうして台湾の同胞の心を捉えることができようか。私はあなたに、1年計画または2年計画を立て、監督制度を確立し、我が国の領事館におけるサービス態度を根本的に変え、1年以内に台湾事務所に追いつき、追い越してほしい。そのほかに、華僑華人と現地日本国民は密接な関係にあり、彼等に中日両国の友好の架け橋となる作用を発揮させるため、自分たちの組織を設立させてほしい。もしあなたが日本の各県への訪問を展開すれば、華僑華人組織がない地方には、その機に乗じて組織を立ち上げることができ、大きな牽引力になるに違いない。
2004年9月26日

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