今が福田外交カラーを打ち出すチャンス

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 安倍晋三外交はタカ派色が濃く、しかも矛盾に満ちていたため、日本の存在感を示すことができなかった。福田康夫首相は対北朝鮮外交、対中国外交、対米国外交など多くの点で安倍氏と異なり、ハト派的色彩が強く、諸外国から注目されている。今日本は、問題言行への対応に追われる受動的外交から時代を先取りした能動的外交に転換するチャンスにある。もし臨時国会終了後、約一週間を利用して、米国、中国、韓国を連続訪問したら、日本が北東アジア及び東アジアで積極的に自主外交を展開しようとしていると高く評価され、日本の存在感は大いに高まるであろう。

先ず米国を訪問し日米関係の固い絆を世界に示すことが、日本のアジアでの存在感を示す上で欠かせない。その足で中国を訪問することによって、中国重視の姿勢を示せるだけでなく、米中日三角関係でイニシアティブをとるというシグナルを世界に発することができる。韓国を訪問し、歴史認識問題から未来志向の日韓関係を強調することによって、朝鮮半島への日本の存在感を示すことができるし、対北朝鮮外交の突破口を探ることもできる。中韓は日本の隣国であるにもかかわらず、福田首相が先ず米国を訪問し、続いて中国、韓国を訪問するということで、その特異性が注目され、福田外交カラーを世界に示すことができる。
 この三カ国訪問では、次のような点に留意することが望ましい。1)国際政治において、対話を強調し、力の政治を戒める(ブッシュ政権の単独行動主義への戦略調整を評価する)、2)平和立国を強調し、日本のソフトパワーを高める(右傾化による隣国不安を取り除き、平和国家イメージを強める)、3)東アジア共同体支持を鮮明にする(ASEAN10+3での日中対立に終止符を打つ)、4)米国の平和的アジア関与を肯定・支持する(軍事力をバックとしつつも、平和的対話に努めるよう働きかける)、5)歴史認識問題の非政治問題化を図る(隣国国民の感情を傷つけないようにする)、6)台湾問題での「独立反対、現状維持」の姿勢を鮮明にする(中国現首脳の平和的統一の方針を支持し、中国国内タカ派の社会基盤を弱める)、7)北朝鮮への対話姿勢を鮮明にし、平譲コミュニケの実行を図る(拉致問題によって動けなくなっている対朝鮮半島外交に調整を加える)、8)米中日三カ国戦略対話開催の環境整備に努める(米中関係改善によって日本の戦略的空間は狭まりつつあるが、その打開を図る)。
 現在、福田首相の米中訪問について、三つの選択がある。一つは安倍前首相の約束に従って11月に中国を訪問し、訪米を後回しとする。二つ目は先ず訪米し、一定の期間を経て訪中する。三つ目は私が提案した参加国同時訪問である。一つ目は絶対に避けなくてはならず、中国側も理解を示すはずである。現在、第二の選択、つまり11月に訪米し、来年1月に中国を訪問する予定が立てられている。これは極めて平凡なスケジュールで、穏当ではあるが福田外交カラーを打ち出す行動には結びつき難い。中国への約束が守れないということもある。第三の提案をする所以である。
そのためには、今までの福田外交姿勢を整理総括し、早急に日本の外交戦略をまとめあげ、米中韓三ヵ国訪問を通じてそれを世界に宣告すると効果的である。米国の戦略調整と中国の平和戦略によって、日本の外交戦略はまとめやすくなっているはずだ。短期間に福田外交路線の基本を打ち出すことは決して難しいことではないと考える。
2007年10月5日

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このページは、凌星光が2007年10月 5日 02:52に書いたブログ記事です。

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