また胡錦濤談話は、次のような三つの要求を提起した。
1)党の宗教活動基本方針の堅持。「党の宗教信仰の自由の政策を全面的に貫徹し、宗教事務の法による管理を堅持し、独立自主運営方式を堅持する」「宗教界が民族の団結、経済の発展、社会の和諧、祖国の統一などの面で貢献することを支持する」。中国共産党は旧ソ連とは違って、統一戦線政策の一環として、宗教容認政策をとってきた。それが基本的方針として貫かれてきたが、憲法では「信仰の自由」と同時に「不信仰の自由」も強調され、受身的色合いは否定できない。即ち、社会の発展につれて、宗教は消失していくという考え方である。しかし科学と宗教の問題は永遠に存在するものであり、宗教が消失することはない。このような認識に立っているとは明言されてはいないが、諸宗教の哲理への謙虚な姿勢、受身的対応から主動的対応への姿勢転換が見られる
2)信者大衆への活動強化。「最大限に信者大衆を結集し、彼らの知恵と力が小康社会の全面的建設実現に凝集するようにさせる」「彼らが積極的に生産の発展、生活の改善、勤労による富裕化を図ることを支持し、党と政府の思いやりと暖かさを切に感じるようにさせる」。これは中国社会における諸矛盾、諸不均衡を緩和?解消する上での宗教の役割を再認識されるに至ったと言える。キリスト教信者には犯罪者がいない、仏教信者には犯罪者がいないと豪語する教職者の言が耳に響く。逆に犯罪者の中には無神論者や共産党員が多い。このような現実を前にして、信者大衆への積極的評価となったのであろう。
3)宗教教職者陣の育成強化。「養成、選抜、使用の活動度を強化し、政治的に信頼でき、学識面で造詣があり、人格面で衆望のある宗教教職陣を育成する」「愛国宗教団体の積極的役割を発揮させ、彼らが自主運営能力を強め、法と規約によって自主管理をよく行い、信者大衆の願望を反映させるよう支援?指導する」。文化大革命の影響を受けて、中国の宗教は大きな打撃を受け、教職者の断層が甚だしい。改革開放政策がとられるようになってから、是正策がとられ、党の宗教政策が復活?発展を見た。市場原理導入による、社会矛盾の激化とあいまって、信者も急増してきた。その中で、教職者も増えてきたが、中にはいい加減なものが少なくない。教職者陣の育成とは、教職者への教育を強化し、人的断層を埋め合わせようとするものである。ただ、腐敗が甚だしい党の指導の下で、立派な教職者が育成できるかどうかは甚だ疑問である。
また胡錦濤は、各級党委員会と政府は「党と国家事業発展の全局という戦略的高度に立って、新情勢、新任務の要求に適応していかなければならないと」としている。即ち、党と宗教との関係は戦略的次元で考えるべき重要課題としたのである。今までの消極的宗教政策は積極的宗教政策に代わろうとしている。今後の行方が注目される。
2008年2月29日

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